電子制御機器などを製造するレクザム(大阪市)は15日、パナソニックヘルスケア西条工場跡(愛媛県西条市福武)を買収し、家庭用燃料電池(エネファーム)製造や水素エネルギー事業構築の新工場を設置すると発表した。地元から数十人を新規雇用し、将来は200人規模での操業を目指している。
 レクザムによると、燃料電池車実用化やエネファーム浸透などで水素・燃料電池の需要増を見込み、新規事業の工場用地としてヘルスケア社(本店・東温市)と今春から売買交渉を開始。過去にも愛南町などのパナソニック関係の工場跡を買収したり、西条市が新エネルギーへの取り組みに積極的だったりしたため取得を決めた。
 用地は約11万3500平方メートル。建物を含めた取得額は非公開。新工場名は「レクザム西条工場」で、既存建物を活用し来年以降、順次設備を導入する。今後、数十億円規模の投資を実施。燃料電池に加え、水素製造から出荷まで行える体制構築を図る。将来は新工場で売上高100億円以上を目指しており、レ社は「新分野なので研究などを進め、早期に稼働させたい」とした。